今回紹介するのは、麻耶 雄嵩さんの『神様ゲーム』です。
個人的にはかなりツボな作品でした。
殺人事件の話で、最後に真犯人がわかるとゆういつも流れではありますが、読了後スッキリといった感じではありません。
最後の結末を読み、真犯人を知ってしまった時に驚きもありますがなんだか気持ち悪い感じが残る話です。
その気持ちわるーい感じがなんとも好きです。
目次
書籍情報
- 著者 麻耶 雄嵩
- 発売日 2015/7/15
- 文庫 224ページ
あらすじ
神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。町が騒然とするなか、謎の転校生・鈴木太郎が犯人を瞬時に言い当てる。鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか。神様シリーズ第一作。
見所
真犯人を知る、絶対的存在
この話には不思議な事件の真相・真犯人を既に知っている鈴木君という「神様」と名乗る存在が出てきます。
推理するというよりは、神様ですので真実を「知っている」という体で物語は進んでいきます。
主人公である「芳雄」は偶然鈴木君のその秘密を知ってしまったのですが、最初は半信半疑です。
ですが、鈴木君はだた知っているだけではありません。神様ですので「天誅」を下すことができるのです。
その天誅が真犯人に下ることで、芳雄もその衝撃の犯人を知ってしまうと共に鈴木君のことを信じていくのです。
身近で起きてしまった事件
鈴木君の秘密を知ったその後、芳雄の身近な存在である友人が殺されてしまいます。
芳雄はその恐ろしい事件の第一発見者になってしまいます。
その場面が何ともいい感じに気持ち悪い……
殺害されている人物を発見する瞬間、まだ時間もたっていないと思われる現場で犯人がそばにいるかもしれない恐怖感。
その恐怖の中で、殺されてしまった友人の為に一度逃げた現場へと再び戻る芳雄の行動をドキドキしながら見守りました。
うわぁ…と思いながら先も気になるし、すごいスピード感で読んでしまいました。
真犯人へと下る天誅
犯人がわからない中で、鈴木君だけが真実を知っています。
その鈴木君は芳雄との話が楽しかったお礼で真犯人へ天誅を下してくれるといい、それを実行します。
そのやり方また何ともえげつない……
そしてその天誅によって明らかになった犯人。その犯人が芳雄にとって衝撃的人物です。
それと同時に事件の際に起きた不思議な現象が解消されていきます。
ラストのどんでん返し
何故事件が起きたのか、何故友人が殺されなければならなかったのか、芳雄は推理を進めます。
そして推理が固まり、あとはその事実を確認するだけとなった、この物語のラストシーン。
ここでどんでん返しがありました
私ももう終わりが見えているかのような気持ちで結末を読み進めていましたが、最後に一番衝撃的な事実が発覚しました。
あまりにも突飛なことで、しばらく時が止まって理解不能でした。
そしてそのままこの話は終わってしまいます。
いや、もやもや〜これってどうゆう意味なの?どっからこうゆう話になってたの?とゆう感じでした。
そしてこの最後の何とも言えないもやもやと、気持ち悪さが好きだとも思いました。
読み返すと、伏線は最初から何回も出てきていたようです。
実はこの話の始まり方がしっくりこなくて、最初の章で読むのを何度かやめてしまっていました。
しかし読み終わった後、冒頭を再び読んでみるととても面白かったのです。
そして結末を知った上で最初から読み返すと、とても深いと感じました。
ボリュームもそんなにないので、すぐに読めてしまいます。
おすすめです
おわりに
余談ですが、私がこの本を手に取ったのは本屋さんにふらっと寄った時に、白猫の表紙の小説を買おう。と思って手に取りました。
完全にジャケ買いですね。
その時購入したのが、『白いしるし』とこの『神様ゲーム』です。
このようなふわふわした選び方でこんな面白く、ツボな作品に出会えるとは思ってなかったので満足しています。
これはシリーズ1作目だそうで、さっそく続編も購入しました。
読むのが楽しみです。
同時に購入した『白いしるし』もまた良かったらブログ更新します。
90年